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  ■F-ビルコンセプト■ ※建築家 武田正義氏のF-ビル建築コンセプトより引用

  F-ビルはウォーターフロント新開地

「F」が位置する広島市宇品地区は、広島港を臨むウォーターフロント・エリアにある。

広島港は、広島都市圏の海の玄関として重要な役割を果たしており、さらに21世紀に向けてウォーターフロントの整備を中心として港全体のレベルアップを図ろうとしている。

  水を内包する建物(海)

上記のように前提となる立地環境を考慮すると、必然的に「海」というキーワードが常に意識の中に存在する。また、敷地環境だけでなく、マリンショップやいかだ工場などオーナーのライフスタイルにも海が密接に関係しており、より水をテーマに取り組み、建物の中での水の存在感を表現してみたくなった。

まず、プランニング(平面計画)は機能性、動線計画等など総合的に判断して、いくつかの案から店舗、工場、住宅の3つの機能を平面的に配置するヨコ型のプランを採用することにした。そしてデザインは、オーナーとも協議の上、3つの機能をシンプルな箱に閉じ込め、その内部に円形の池を設置して、水の存在感をアピールすることにした。

建物の2階に配置される水をたたえる池は、今までの自分自身のデザイン手法では経験したことの無いほど、シンボリックで強烈なイメージだった。

  キューブの中の小宇宙(箱)

「F」は、建物内部をくり抜き、建物が内部空間を囲むコートハウスの形態をしている。
通常内部の空間には中庭が位置するが、今回は池である。

コートハウスの手法は、これまでも住宅を中心に、何度か使ってきた。
その中で心掛けてきたのは、コートハウスという形態でも完全に内部と外部を遮断した口型ではなく、一方向を開放したコ型のブランを採用してきたことだ。

これは建物自体と都市(街)との関係を暗示しており、コートハウスという建物が街に対して閉じているだけでなく、ある時は開かれる側面を 持っていることを意味している。

こうしたコートハウスの手法の延長にある「F」だが、シンボライズされた建物内部の池に代表されるように、今までにないコンセプチュアル(概念 的な)ものとなった。この池は、キューブ(箱)という限られた空間の中で象徴化された小さな海であり、その水は住宅部分のコートにある小さな泉 から湧き出て、海へ注いでいる。

そう考えてキューブ自体を1つの世界と捉えるようにした。

2階の店鋪は、中央の大海を取り囲む世界各地域で あり、中南米、オリエント、ヨーロッパ文化の遺産としてのアンティークが、それを象徴している。さらに1階の店鋪は、大海が光を落とす深海であり、そこにはいかりなどが横たわっている。

  建物を貫く宇宙軸(太陽)

「F」は、キューブという小宇宙(ミクロコスモス)を表現している他にも、宇宙的な要素を備えている。
それは建物を貫く軸線と太陽光線との関係だ。

年2回、4月23日と8月19日、住宅、工場、店鋪 を通して建物の軸上に光が差し込み、内部を赤く染める日没の 太陽を見ることができる。建物を貫通するこの太陽の光線は1つの宇宙軸であり、建物は宇宙の中での自己の存在を知ることになる。

さらに2階の店鋪の1地点から斜めに打ち抜かれたトップライ トを通して眺めるベガは、もう1つの宇宙の軸を感じさせる。
建物を貫く太陽光線は、「F」という小宇宙(ミクロコスモス)を 宇宙空間(マクロコスモス)に導く基軸であり、ミクロとマクロという対比する要素を結びつける光のラインでもある。

宇宙の中での1つのキューブの存在。それは太陽や星をたよりに浮遊し、舵取りをする宇宙船を象徴するものであり、やや抽象的にいえば、マクロコスモスという乾いた宇宙空間の中で、生命体の源である水をたたえた湿潤なミクロコスモスを表現したものといえないだろうか。

ショールームはこんなステキな建物の中にございます。どうぞ、お気軽にお越しください。

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