『心に安らぎを運ぶ西洋アンティーク』
家を建てたが「どうしても居心地が良くない」とか好きな家具と家のデザインがマッチしない」と言う不満を耳にする。私は、好きな椅子1脚選ぶことが出来れば、居心地の良い家は建つと思う。
これから家を建てられる方に、お好きな家具1点から家造りをする事をお勧めする。例えば好きなテーブルを見つけたら、そのテーブルに合う椅子を探す。すると床材が決まり、壁材が決まる。カーテンの素材などインテリアも決まる。そこから家全体の外観イメージも決まってくる。居心地良い空間は1点の家具から生み出すことが出来るという考えは極論であろうか?また、イギリスのアンティーク家具が日本の小民家にもしっくり合うのは互いの歴史が相乗効果を生み出すからではないだろうか?
「好きな家具がアンティークの場合、そうやって見極めたら良いの?」この質問で私は、アンティークショップに来るすべてのお客様がアンティークについて知識があるとは限らないことを知った。アンティーク家具はとっつきにくいという理由は、案外そんな所にあるのではないだろうか?
2004年4月、季刊誌「がんぼ」春爛漫号で『心に安らぎを運ぶ西洋アンティーク』のコーナーにお客様の島岡邸と当店の紹介記事が掲載されました。
私は取材を受けている時、記者の「アンティークを選ぶとき、何を基準にしたらよいのでしょうか?」という問いかけにハッとしました。25年もこの仕事をしていながら私はお客様の「分からない」という事が分からなかったのでは?記者の取材は私を原点に立ち返らせてくれた様です。
そこで、西洋アンティーク家具の良し悪しを見極める7つのポイントをご参考に是非アンティークを身近に感じて頂けたら幸いです。
Point1 アンティークには美術品と実用品の2タイプがある
本来アンティークとは、美術史を語る上で欠かせない作家ものや、由来のはっきりしているものを指す。つまり、100年以上前につくられ、オリジナル性が高く、地域性豊なデザインで、美術館にあってもおかしくない品である。
こうした美術品に力を入れている店もあるが、日本で販売されているアンティーク家具の多くは、1890~1940年代に過去の伝統的な様式を下敷きにして製作された実用品に近いもの。長い年月を経た1点ものという意味で、こちらも価値が認められた立派なアンティークといえるが、実用品なだけに比較的手の届きやすい値段になっている。
Point2 傷や汚れ,不具合は修繕されて販売される
扉の閉まりが悪い、傷があるなどの不具合を「アンティークの味」と勘違いしている人は意外に多いのではないだろうか。
通常アンティーク家具は、補修・防虫処理をして、実用に耐える形で販売される。修繕済みの品を仕入れる店もあれば、自社工房で修繕するところもあるが、職人の腕や店の管理の仕方によって、状態の良し悪しに差がつく。無垢の木で作られている古い木家具は、船で運ばれる間に木に影響が出る可能性があるので,日本の温度や湿度に十分馴染ませてから、国内で修繕したものの方がベター。
もし未修繕の商品があれば、修繕費を上乗せして値段を見る必要がある。ただ傷に関しては修繕してもとれないものもあるので、新品の家具のようにはいかないが、あらゆる不具合について十分な説明をせずに「アンティークだから」で済ませる店は要注意。